カーボンとアルミの違い|選び方

カーボンフレームに憧れる、もしくは聞いたことはあるけど、実際のところ何が良いの?と疑問に思うことありませんか?

ロードバイクやマウンテンバイクなどのスポーツサイクルのフレーム素材として多く使われるカーボンとアルミ。それぞれのメリットとデメリットを解説します。

カーボンファイバー(カーボン)について

カーボンクロス

カーボンのメリット

カーボンファイバーのメリットは何と言っても軽量なことです。でもそれだけではありません。カーボンでフレームを作るメリットは、素材の軽さを活かしつつ強度が必要な部分・柔軟性を持たせたい部分など自転車のフレームに求められる特性を部位毎に自由にコントロールできるというメリットも大きいのです。

<カーボンフレーム、ホイールは平らなカーボン繊維から作られます>

<精密にカットされたカーボン製のシート、ブレームの部位毎に編み方も厚さも異なります>

<アルミやスチールで作られた鋳型>

メーカー毎にカーボンフレームの製法は異なります。当店で取り扱いしているトレック社の場合は1本のフレームをいくつかのパーツに分けて製造します。そうすることで品質管理を細かく出来るというメリットがあります。

製造された各パーツは特殊な接着剤でフレームの形状に組み立てられます。各パーツが組合わさる部分はカーボンが重なることで柔軟性が損なわれるのを防ぐために、嵌合部分だけ薄く成形するという精巧さです。

グレードによって細かな製法の違いはありますが、カーボンフレームならではの軽さとしなやかさを味わうことが出来るのは、こうした製法で作られたフレームのみで、各パーツをラグやパテで組み合わせたフレームではカーボンならではのしなやかさを味わうことは期待出来ません。カーボンで作られたフレームが全て素晴らしいという訳ではないのです。

カーボンフレームにも様々な製法があり、当店で取り扱っているトレックはカーボンフレームの製造にかけて世界トップレベルです。

<20年近く前につくられたトレックのカーボンロードバイク>

トレックのカーボンの話をもうひとつ、トレックは使用しているカーボンの素材メーカーを公表していません。これはフレームの部分毎に求められる特性が異なるため、部分毎にカーボン素材を変えているという理由があるのです。

<ワールドカップで活躍するカーボンバイク>

カーボンの欠点としては、どうしても高価になってしまうこと。通常走行以外の想定外の衝撃が加わった場合、破損してしまう可能性があることです。これはあくまでも、事故などの想定外の力がかかった場合のことで、カーボンフレームはマウンテンバイクのワールドカップでも使用されるほど高い強度・耐久性を備えています。またトレックのカーボンバイクには全て保証がつけられています。

アルミニウム(アルミ)について

アルミニウム(アルミ)の特徴としては軽量で強固なこと、そしてカーボンに比べて安価であることも大きな魅力のひとつです。

自転車フレームに使われるアルミニウム素材は、アルミニウムと別の金属を混合することで強度を増したアルミ合金が使われています。この配合度合いや純度によって軽さ・強度・柔軟性、そして価格が変わってきます。

以前のアルミフレームは、切断された丸パイプを溶接したようなシンプルな形状でしたが、最近ではハイドロフォーミング加工により、複雑な形状に成形されたアルミフレームが主流です。デザイン面だけではなく、強度が必要な部分は太く、柔軟性が必要なところは細くなど、乗り味を良くするための工夫なのです。

例えばフレームのダウンチューブと呼ばれる部分、ダウンチューブは体重がもろにかかる部分ですので、当然強度が必要になります。前側は縦に伸びるヘッドチューブと繋がりますので、縦長に整形してあり、後側はペダルからの脚力を受け止める軸受(ボトムブラケット)と溶接されますので横長に整形してあります。

また後輪を支える各パイプにも特徴があります。下側のパイプ(チェーンステー)は後輪に近づくにつれ細くなります。後輪からサドル方向に斜めに伸びるシートステーは、路面からの衝撃を受け止めるように細く整形されることが多いです。それぞれの箇所毎に求められるものが違います。そんな目で、愛車を眺めるのも面白いものですよ。

その中でも出来るだけ軽量に作られるのが現在のアルミフレームです。以前はアルミ=硬いというイメージをお持ちの方もいらっしゃいましたが現在のアルミフレームはそんなことはなく、マイルドさシャープさを併せ持ち、なおかつお求めやすいという最高のフレーム素材です。

まとめ

アルミニウム カーボン
重量
強度(クラッシュ耐性)
強度(強度・剛性)
柔軟性・乗り心地
価格

カーボンフレームの損傷について

カーボン製フレームの購入に踏み切れない理由として、価格はもちろんですが、破損した場合のことを気にされるケースが多いように感じます。

カーボンとアルミニウムの違いとして破損したときの状態があげられます。アルミニウムなどの金属は破損した場合、曲がりが凹みを生じます。しかしカーボンの場合は損傷が目視で確認できない場合があります。

  • 走行中に、縁石、ガードレール、くぼみ、停車中の自動車、あるいはバイクを急停止させるような物にぶつけてしまった。
  •  前輪に何かが挟まり急停車した。
  •  自動車に衝突された。
  •  転倒してからどこかがおかしい、または異音がする。
  •  自動車のルーフラックにバイクを積んだまま、ガレージに入ってしまった。

こんなときは、ただちに使用を止め当店にお持ち込みください。

トレックでは落車・転倒などでカーボンフレームが損傷を受けた場合の救済処置として「カーボンケアプログラム」を設けています。フレーム交換にかかる費用の一部をトレックが負担することで、末永く安全にサイクリングを楽しんでもらうためのプログラムです。